卓球ラケット開発の悲喜こもごも(4)
ブレード形状の確定
試作品を作り、試打を重ねることでブレードが真円であることが、卓球競技において効果的でないことがよく分かった。その上、グリップとブレードが近いことは安定感が増すというメリットがあるが、シェイクやペンのようなてこの原理を用いた威力というか、もう少しわかりやすく言えばスナップを利かす打球の威力が半減してしまうことに気が付いた。
そこで真円型ではなく、右端のようなブレード形状に変更した。グリップは再びブレードとの距離を遠くに離している。これによりスナップを利かして威力ある打球が打てるようになった。また、通常のシェイクよりも先端に重心が行くように設計されており、より小さな円軌道で強い回転をかけられるような仕組みとなっている。この形状に至るまでも試行錯誤があった。手元重心設計、それからブレードの大きさ等、色々な攻撃型ブレードを試した結果、この形状が最も打球が安定し、威力も伴うものとなった。
という訳で、何とか基本的なカーブラインのブレード形状を生み出すことにたどり着いた。