オマドーンの開発と因縁のローズウッド

ウイングスパン合同会社は創業3周年を迎えた。多くの方にWINGSPANを知っていただき、また、多くの方にミルラ、ブライターレイターを購入いただき感謝いたします。おかげさまで新製品をお届けできることになった。

今回は、新製品の一つであるWINGSPANのフラグシップモデル、オマドーン(OMMADAWN CLS)の開発について記してみたい。オマドーンはローズウッドを表面板にした攻撃型7枚合板である。このオマドーン、開発開始の時期は実に、ミルラ、ブライターレイターと同時期の創業前にさかのぼる。


上の写真の右側のラケットがオマドーン。左側のラケットが、創業前に製作していたオマドーンの試作品である。右に比べると明るい色ではあるがローズウッドを表面板に使っている。ちなみにこの試作品は5枚合板である。合板構成については試作品とオマドーンはまるで異なる。この試作品は弊社関係者の評価は高かったものの販売にこぎつけるほどの納得ができず、結局、ミルラ、ブライターレイターを発売した後も、ミルラ、ブライターレイターを作りながら、オマドーンの試作品を継続的に作り続けることになった。

オマドーンの場合、表面板のローズウッド、そしてラケットのサイズが決まっていたので、あとは合板構成だった。3枚合板、5枚合板、7枚合板、9枚合板、その他特殊素材入りも含めてかなりチャレンジしてみた。

色々な枚数の合板を試すうちに、7枚合板に方向性を定めた。上の写真は全て7枚合板の試作品である。ミルラ、ブライターレイターを作りながら、このような試作品を一つ一つ吟味しながら創り続けることになる。これを見ると思いだすが、このころは何度試作品を作っても納得できるものにならない、悲惨な時期だった。こんな事を繰り返していたが、あまりにもロスが多いため、並行して、約5cm四方合板の試作品なども製作し、とにかく数多くの7枚合板を試した。最終的には添材の木材とその厚さが決定することによって、パズルが解けるかのように、納得のいく新製品、オマドーンが完成することになったのだ。以上がオマドーン開発に関する話である。

さて、ここで、少し私とローズウッドの関りの話をしたい。

突然ですが、皆さんは、人生で初めてローンを組んだのは何でしたか?
バイク、車、あるいは、家、色々あるでしょう。

私が人生で初めてローンを組んだのは、20年前、いわばローズウッドを買うためでした。
もちろんローズウッドの原木を買ったという話ではありません。御茶の水の楽器屋でMartinというメーカーの古いD-35というアコースティックギター購入のためにローンを組んだのです。このギターにローズウッドが使われていました。ギターの音はそれはそれは良い音なのですが、これがなかなかの価格で、ローン返済にかなり苦しんだことを覚えています。というわけで、ローズウッドとの因縁はすでに20年前から始まっていたという話でした。余談ですが、その後、さらに卓球とは全く関係なく、マホガニーやメイプルなどとも因縁を持つことになりました。(笑)