卓球ラケット開発の悲喜こもごも(1)

デザイン重視の真円型ブレード

卓球ラケットの開発には大きく分けて、2つの要素があります。一つは「グリップも含めたブレード形状の設計」、もう一つは「ブレードの木材や特殊素材の積層構成」です。WINGSPAN第4のラケット、カーブライン開発は、卓球ラケットについてゼロから考え直してみたかったので「グリップを含めたブレード形状の設計」から行いました。そして制作するラケットは、シェークハンドとペンホルダー良いところを併せ持つということを目標としていました。

開発中の試作品が上の3つです。左からカーブラインの開発の初期、中期、後期の段階になります。時間経過とともに、「グリップも含めたブレード形状」は変化していきます。左と真ん中のブレードは真円型のブレードです。開発者としては球型グリップと同様に真円ブレードにかなりこだわっていました。それは単純にデザイン的な要素が大きいものでした。

球型グリップと真円型ブレード形状がもたらした効果は、かなり弾みがあるという事でした。これはカーブラインの特徴でもありますが、グリップを含めたラケットの面積が小さいといういうことに起因します。通常、守備用ラケットよりも攻撃型ラケットの方がブレードが小さくなっています。それと同じ原理で、ブレードだけでなく、必要なグリップの面積が小さくなることで、攻撃用ラケットの特徴を際立たせることができました。今風に言えば形状特性によってスイートスポットが広いといえるかもしれません。

左端のラケットに至るまでも、実は多くの試作品を制作してきていました、その意味で左端のラケットは、ここではわかりやすく初期としていますが、この時点である程度の納得度が得られる到達点でした。しかし試打をする中で、認めたくないものの、認めざるを得ない欠点が襲ってきした。

それは、バックハンド打法の際にグリップを握った手や指にボールが当たってしまいやすいという決定的な欠点でした。(つづく)